事例Ⅰ(組織・人事)任せる範囲と統制を設計する
権限委譲は、社長や一部の熟練者に集中した判断を現場や管理者へ移し、意思決定を速めるための論点です。中小企業では、経営者の近さが強みになる一方、成長や多角化に伴って社長がすべてを判断する体制は限界を迎えます。そこで、部門長や後継者に職務権限を持たせ、責任ある経験を積ませることが重要になります。
ただし、権限委譲は丸投げではありません。管理スパンが広くなりすぎると、上司が部下を十分に指導、評価、調整できず、品質のばらつきや判断の不統一が起こります。逆に細かく統制しすぎると、現場の主体性やスピードが失われます。
答案では、誰にどの権限を移すのか、どの範囲で判断させるのか、報告や会議でどう統制するのかを示します。設問要求が人材育成に近い場合は、権限委譲を管理者候補の能力開発や動機づけと結び付けます。組織課題に近い場合は、意思決定迅速化、社長依存の低減、部門間調整の強化を効果として書きます。
社長が営業案件の判断をすべて担い、部門長は日常業務の調整だけを行っている。新規顧客への対応を速める助言として最も適切なものはどれか。
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