事例Ⅲ(生産・技術)の勉強法と頻出論点
事例Ⅲ(生産・技術)は、製造業の現場課題を与件文から読み取り、QCDと生産管理の観点で改善策を記述する事例です。設備や工程の知識そのものより、設問要求に沿って原因と施策を因果で結ぶ力が問われます。
出題傾向
事例Ⅲでは、生産計画、生産統制、品質管理、納期管理、設備・工程改善、新規受注への対応などが、複数の設問に分かれて問われます。第1問で強み・弱みや課題を整理し、その後に納期遅延、品質不良、コスト増、情報共有不足、外注・内製判断、工程能力の制約などへ展開する構成が多く見られます。近年は、単に改善策名を書くのではなく、与件文にある受注特性、品種数、ロット、段取り、担当者依存、計画変更、部門間連携を踏まえ、実行順序や期待効果まで具体化する力が重視されます。知識の羅列ではなく、C社の現状に合う多面的な答案が必要です。
勉強する順番
- 設問文を先に読み、誰に何を答えるか、原因分析か改善提案かを切り分ける。
- 与件文を読みながら、QCD、計画、統制、工程、情報、人的技能に関わる記述へ印を付ける。
- 各設問に使う根拠を対応付け、同じ与件根拠を無理に複数設問へ使い回さない。
- 原因を問われたら、現象ではなく計画精度、負荷能力、標準化、情報伝達などの管理上の要因に落とす。
- 改善策は、何を、誰が、どのように変え、QCDのどれを改善するかまで一文でつなぐ。
- 新規受注や新事業の設問では、強みの活用と既存生産への影響回避をセットで考える。
- 答案作成時は、与件語を使いながら、因果関係と効果が読み取れる短い文に整える。
- 最後に、設問要求の漏れ、根拠の薄い一般論、品質・納期・コストの偏りを見直す。
配点・試験時間・合格ライン
中小企業診断士2次筆記試験は、4事例それぞれ配点100点、各事例80分で行われます。筆記試験の合格には、4事例合計で240点以上、かつ各事例で40点以上を満たすことが必要です。事例Ⅲでは、制度上の知識暗記より、限られた時間で与件文に基づく妥当な診断と助言を記述する力が得点に直結します。 令和8年度(2026年度)から第2次試験の口述試験は廃止され、筆記試験の合格発表が最終合格発表となります(中小企業庁 2026年2月5日告知)。
得点のコツ
- 答案は、与件文の根拠、原因、施策、効果をできるだけ一つの因果で結ぶ。
- 納期、品質、コスト、柔軟性のうち、設問が求める切り口を外さない。
- 改善策は抽象語で終えず、計画表、標準作業、進捗共有、教育などの行動に落とす。
- 新規受注対応では、売上拡大だけでなく既存顧客や現場負荷への影響も書く。
頻出論点(12)