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金融政策の波及経路

経済学・経済政策政策金利の変化が需要・物価へ届く道筋を理解する

要点

金融政策の波及経路とは、中央銀行の政策変更が金融市場を経由し、企業や家計の支出、実質GDP、物価へ影響するまでの道筋です。金融緩和では一般に短期金利が低下し、資金調達費用の低下を通じて設備投資や住宅投資、耐久消費財への支出が増えます。反対に金融引締めは金利を上げて総需要を抑える方向に働きますが、効果の大きさや時間差は経済状況で変わります。

IS-LMの表現では、実質貨幣供給M/Pの増加によりLM曲線が右へ移り、利子率が低下して所得が増加します。より広い波及経路には、銀行の貸出余力を変える信用経路、資産価格上昇が担保価値や富を高める経路、相対的な金利低下が自国通貨安を促して純輸出を増やす為替経路、将来の金利や物価に関する期待へ働きかける経路があります。

試験では、公開市場操作や政策金利の変更から各変数の方向を順に追います。中央銀行による債券購入は通常、債券価格を上げて利回りを下げる金融緩和です。ただし、金利が極めて低く貨幣需要が非常に弾力的な流動性のわなでは、貨幣供給を増やしても金利や投資が動きにくく、通常の金利経路が弱まる点に注意します。

試験で問われるポイント

確認問題

変動為替相場制の下で、国内の中央銀行が金融緩和を行い、海外金利が一定のまま国内金利が相対的に低下した。通常想定される波及の組合せとして最も適切なものはどれか。

正解: ウ
国内金利の相対的な低下は国内資産の魅力を弱め、通常は自国通貨安の方向に作用する。自国通貨安は輸出品を海外から見て相対的に安くし、輸入品を国内で高くするため純輸出を増やす。よってウが正しい。アは為替と純輸出の関係が逆で、イとエも金融緩和の標準的な為替経路と一致しない。

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