第1問 / 10 ・ 消費者余剰・生産者余剰と死荷重
直線の需要曲線と供給曲線を持つ市場で、1個当たり300円の税を課したところ、均衡取引量が課税前より40個減少した。他の市場の失敗がないとき、課税による死荷重はいくらか。
正解: ア — 死荷重は、税額を高さ、失われた取引量を底辺とする三角形の面積である。したがって300円×40個÷2=6,000円となり、アが正しい。イの12,000円は三角形の面積なのに2で割っていない。ウとエは課税後の取引量を使う税収とも対応せず、いずれも過大な値である。
→ この論点の要点解説「消費者余剰・生産者余剰と死荷重」
第2問 / 10 ・ 名目GDP・実質GDP・GDPデフレーター
ある年の名目GDPが525兆円、実質GDPが500兆円であった。この年のGDPデフレーターとして最も適切なものはどれか。
正解: ウ — GDPデフレーターは名目GDP÷実質GDP×100であるため、525÷500×100=105となり、ウが正しい。これは基準となる価格水準に対し5%高いことを示す。アは実質GDPを名目GDPで割った場合に近い値で、イは両GDPが等しい場合、エは差額25兆円を指数に誤って加えた値である。
→ この論点の要点解説「名目GDP・実質GDP・GDPデフレーター」
第3問 / 10 ・ 金融政策の波及経路
変動為替相場制の下で、国内の中央銀行が金融緩和を行い、海外金利が一定のまま国内金利が相対的に低下した。通常想定される波及の組合せとして最も適切なものはどれか。
正解: ウ — 国内金利の相対的な低下は国内資産の魅力を弱め、通常は自国通貨安の方向に作用する。自国通貨安は輸出品を海外から見て相対的に安くし、輸入品を国内で高くするため純輸出を増やす。よってウが正しい。アは為替と純輸出の関係が逆で、イとエも金融緩和の標準的な為替経路と一致しない。
→ この論点の要点解説「金融政策の波及経路」
第4問 / 10 ・ 乗数効果と財政政策
租税と輸入を考慮しない単純なケインズ型所得決定モデルで、限界消費性向が0.8である。政府支出を10億円増加させたとき、均衡国民所得の増加額はいくらか。
正解: エ — 政府支出乗数は1/(1-0.8)=5である。したがって均衡国民所得の増加額は10億円×5=50億円となり、エが正しい。アは政府支出に限界消費性向を掛けただけである。イは波及による消費増加を無視し、ウは限界消費性向0.8をそのまま4倍と扱い、乗数を4と誤っている。
→ この論点の要点解説「乗数効果と財政政策」
第5問 / 10 ・ 外部性と市場の失敗
ある財の生産には負の外部性があり、社会的最適生産量における限界外部費用は1単位当たり30円である。外部性を内部化するピグー税として最も適切なものはどれか。
正解: ウ — 負の生産外部性には、社会的最適量での限界外部費用に等しい単位税を生産へ課し、企業が直面する費用へ外部費用を反映させるため、ウが正しい。アとイの補助金は生産・消費を増やし得るので是正の方向と逆である。エの価格固定は外部費用を意思決定へ直接内部化しない。
→ この論点の要点解説「外部性と市場の失敗」
第6問 / 10 ・ 独占・寡占とゲーム理論
企業Aと企業Bが「高価格」か「低価格」を同時に選ぶ。両社が高価格なら利得は各8、一方だけが低価格なら低価格企業は10・高価格企業は2、両社が低価格なら各5である。ナッシュ均衡はどれか。
正解: エ — 相手が高価格なら低価格の利得10が高価格の8を上回り、相手が低価格でも低価格の5が高価格の2を上回る。よって両社にとって低価格が支配戦略であり、低価格・低価格のエがナッシュ均衡である。アは共同利得が大きいが各社に単独値下げの誘因があり、イとウでは高価格側も値下げした方が得になる。
→ この論点の要点解説「独占・寡占とゲーム理論」
第7問 / 10 ・ 比較優位と国際貿易
同じ量の資源で、A国は小麦10単位または布5単位、B国は小麦6単位または布6単位を生産できる。機会費用が一定のとき、比較優位の組合せとして最も適切なものはどれか。
正解: ア — 布1単位の機会費用はA国で小麦2単位、B国で小麦1単位なので、B国は布に比較優位を持つ。小麦1単位の機会費用はA国で布0.5単位、B国で布1単位なので、A国は小麦に比較優位を持ち、アが正しい。イは組合せが逆である。ウとエは、絶対生産量と機会費用を混同している。
→ この論点の要点解説「比較優位と国際貿易」
第8問 / 10 ・ 無差別曲線と予算制約線
X財を横軸、Y財を縦軸にとる。所得とY財価格は一定で、X財価格だけが低下した場合、予算制約線の変化として最も適切なものはどれか。
正解: ア — X切片は所得をX財価格で割った値、Y切片は所得をY財価格で割った値である。X財価格だけが下がると購入可能なX財数量は増えるが、Y財だけを買う場合の数量は変わらない。したがってY切片を軸に、X切片が外側へ動くアが正しい。所得変化なら平行移動になる。
→ この論点の要点解説「無差別曲線と予算制約線」
第9問 / 10 ・ 所得効果と代替効果
ある財が正常財であるとする。他の条件を一定としてその財の価格が低下した場合、代替効果と所得効果の組合せとして最も適切なものはどれか。
正解: ア — 価格低下により当該財は相対的に安くなるため、代替効果は需要量を増やす。正常財では実質所得の増加も需要量を増やす方向に働くので、両効果が同じ方向となるアが正しい。ウは劣等財の場合、さらに所得効果が十分大きいとギッフェン財の議論になる。
→ この論点の要点解説「所得効果と代替効果」
第10問 / 10 ・ 費用曲線と利潤最大化
完全競争市場の企業について、価格Pが平均可変費用AVCの最小値を上回り、平均費用ACを下回っている。この短期の企業行動として最も適切なものはどれか。
正解: ア — PがACを下回るため経済利潤は負だが、PがAVCを上回るなら可変費用を回収し固定費の一部も補える。短期にはP=MCの生産量で操業継続が合理的なのでアが正しい。操業停止はPがAVCの最小値を下回る場合であり、完全競争企業は価格を自由に設定できない。
→ この論点の要点解説「費用曲線と利潤最大化」
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